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どこで作られたか

JILLANIEのビジネスバックパックはバングラデシュで作られている

バングラデシュの首都ダッカ近郊の町ドガイルに我々のワークショップはある。
 

例えるなら粋な江戸っ子のようなマチ、ダッカ。喧騒の中、人力車由来のリキシャーが無数に行き交い、街中の至る所に立ち並ぶチャ・ドカンと呼ばれるティーショップ。そこで初めて会う人たちが、まるで旧知の仲であったかのように、天気のこと、最近のニュース、仕事や家庭のことまで自然な会話がなされている。日本ではありえない、むしろはばかられるような、不思議な感じがある反面、とてもナチュラルなものとして自分も気づけば溶け込んでいる。私はベンガル語がさしてできる訳ではないので、日本語でなんとなく返したとしても、むしろ日本語である方が、思いが伝わり、人となりを知り、笑い、そこで出逢ったことに感謝する。その流れでご馳走になったりもする。そして人、人、人。(人口密度が世界一と言われずともわかる。)基本的に見知らぬ人でも仲間として接する粋な人たちと、その暑さと街の熱気とで、一気にこっちまでホットになる。(頭に血が上る意味も含まれる。)

法は一応あるものの、そんなものは誰も気にしていない。人間同士のやりとりや、そこ、あそこでの独自のルール。資本主義なんかが馴染むわけはない。と、いつも感じる。困っている人には自然と皆が手を貸し、貢献できるところは純粋に貢献し、支え合いで生きている。そして ”JOY BANGLA”と自慢げにあちこちに国旗がはためいている。日本人だと気づき、純粋に聞いてくる質問で一番多いのが「バングラデシュはどう?オネク シュンドル(とっても美しい)でしょ!」

 

決まりきった日常におけるシステマチックな世界(ある種の平和な)に生きてきた自分と、今を”生きている”人たちとの融合とギャップ、そして違和感。その深い人と人とのコミュニティに浸れば浸るほど、自身への愛、魂の強さに圧倒され、自分のハートの弱さが露呈する。それが空気によって伝わる会話のトーンによっても表される。自分の遠慮の入ったスタンスでは耳にすら届かないのだ!聞くところによると、バングラデシュでは鬱になる人はほぼいないらしい。経済的にも社会保障面でも日本とは比べものにならないのに、皮肉なものだ。そして実際にはそういうものなのかとも思う。

 

そんな江戸っ子のマチ、ダッカから少し離れると、のどかな田園風景が広がり、鶏や牛が至る所にゆっくりと歩いている。その風景に溶け込んでいる川や池では、ルンギーと呼ばれる、男性が履くスカートを太ももぎりぎりまでまくり、頭や首にはガムチャと呼ばれるショールを巻いて、魚を取ったり、ジュートをしばいたりしている。バングラデシュは米と魚の国なのだそうだ。だから日本人の私は色んな意味で、そこに自然と溶け込めるのだろうか。

By 岡本慎之介

  • 岡本慎之介
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