様々な種類の動物の革があることをどれほどの人が知っているでしょうか?様々な動物の皮が色んな商品に利用されています。日本では昔から鹿革も利用されています。
この記事では鹿革(ディアスキン)の特長やお手入れの方法について知ることができます。
【鹿革:ディアスキンとは?】
鹿革のディアスキンはメスの鹿から作られた革です。通気性が良く、蒸れにくいその特長はほかにはありません。
ディアスキンは、繊維が非常に細かい革で、匂いを防ぐことも魅力の一つです。
なめらかな質感で強靭さ、柔軟さがあり、近年では手袋、財布、パンツ、帽子、小物入れなど幅広く利用されています。
繊維が非常に細かいゆえに引っかき傷が付きやすい点が人によってはデメリットと感じてしまうかもしれません。
【鹿革:ディアスキンの特長とは?】
革と言えば牛革と言えるほど、牛革は一番流通の多い革です。
鹿革であるディアスキンは牛革に比べると、一頭から得られる皮の量が少なく、生産量も少なく、稀少な皮革といえます。ディアスキンの具体的な特長を知りましょう。
1.柔らかな触りごごちで、とにかく柔軟性が高い
鹿革のディアスキンは、レザーのカシミアと言われるほど優しい手触りです。昔は足袋の素材としても利用されていたほどです。とても繊維が細く、繊細な革です。
2.通気性が抜群に良い
鹿革のディアスキンは、通気性も良く、湿気に強いのが特長です。湿気の多い日本においては最適の素材と言えます。通気性に優れているという特長を生かし、着用しても蒸れにくいよう手袋の素材としてよく使われています。
3.軽くて丈夫
鹿革のディアスキンは、とても軽いのも大きな特長です。軽くて丈夫だからこそ、昔から足袋の素材として利用されていました。
また鹿革自体、他の革製品と比べて比較的型崩れが起きにくく、劣化しにくい皮革です。
近年、ディアスキンを使った財布は人気です。その触り心地が良いながら丈夫であるという特長からですね。
4.お手入れがラクチン
ディアスキンは傷がつきやすく、繊細な皮革なので、お手入れが大変と思われがちです。しかしながら実は、ディアスキンは油分を多く含んでいるので、お手入れの時に油分を補給する必要が少なく、非常に簡単にお手入れができます。また、水に濡れてしまっても油分が失われることがありませんので、雨の日も気にせず使うことができる素材です。
5.経年変化
革製品の所有の醍醐味である経年変化、エイジング。深みのある色つやが使用に伴い現れます。植物タンニン鞣しで仕上げたディアスキンは、経年変化するので楽しいです。
クロム鞣しで仕上げた革は、経年変化しないので、使用に伴い変化していく様を楽しみたい方にはお勧めしません。一般に、安い革製品はクロム鞣しと思ってもらっていいです。
7.デメリット
鹿革のディアスキンには、様々なメリットといえる特長がありました。
しかしながらディアスキンには、人によって、使用用途によってはデメリットと言える点もあります。
ひっかき傷に弱く、表面が剥離しやすいことはその一つにあげられるでしょう。綺麗な状態を保ちたいのであれば鞄の中で、金具などにひっかからないように注意が必要になります。
表面の剥離も、ひっかき傷も、これがディアスキンの良さ、味!となるころには、革大好き人間ですね。
【鹿革:ディアスキン以外の種類とは?】
鹿革には、ディアスキン以外にも種類があります。ディアスキンは雌鹿でした。その他にどんな鹿の革があるか知っていますか?
1.バックスキン
バックスキンはディアスキンと異なり、オスの鹿皮を鞣した革です。雄鹿の皮は雌鹿の皮に比べると傷が多い為、表面をやすりで擦って、起毛させて仕上げることが多いです。
バックスキンは、ディアスキンと同様に軽くて丈夫で通気性に優れているという特長があります。その蒸れにくく、匂いも防ぐという特長からレザーグローブやアパレル製品に利用されることが多いです。
「バック」という響きから、スエード革などと混同されがちですが、バックスキンは雄鹿の皮を鞣した革です。混同しないように注意が必要です。
2.エルクレザー
エルクレザーは、北米や北ユーラシア大陸に生息する大鹿の革です。いわゆるヘラ鹿ですね。
最近は本物のエルクレザーはとても希少です。北ユーラシアでは食用として狩猟されていますが、狩りの期間が約3か月と短く、エルクレザーの生産量は安定しません。さらに野生の鹿なので体中傷だらけです。
その為、比較的ぶ厚い牛皮をクロムなめしされた革を、手作業や機械で革の表面を揉み、粗目のシボをつけたものがエルクレザーとして流通していたりします。
エルクレザーは、とてもぶ厚いながら柔らかいので、通常では製品に加工することは難しい職人泣かせの革です。しかしながら出来上がったエルクレザーのアイテムはカシミヤのような手触りになり大変魅力がある革です。
3.セーム革
現在、日本国内で出回っているセーム革は、中国のキョンという小型の鹿の革が多いです。
セーム革は、きめが細かく滑らかで、柔らかい手触りが特長です。革の繊維が引き締まっていて、吸水性や保湿性がディアスキンよりもさらに高いことも特長の一つです。
このような特長から宝石、貴金属類の汚れを取るのに使用されています。時計や眼鏡、カメラをのレンズの汚れを拭くには最適と言われています。
一般に、革は丸洗いすると乾く際に油分が失われてしまい、固くなってしまいます。
しかし、セーム革は濡れても乾く際に油分が失われませんので洗濯が可能です。とはいえ、洗濯後は少し固くなってしまいますので、洗濯の際に柔軟剤を入れたり、リンスを入れたりすると柔らかさが維持できたりします。
【鹿革:ディアスキンのお手入れ方法】
ディアスキンは、油分を多く含んだ革なので、お手入れの頻度も少なく簡単に済む革です。
定期的なお手入れで、革の品質と美しさを保ちましょう。
1.日々のお手入れ
普段のお手入れはたまに乾いた柔らかい布で汚れやホコリを拭く程度で十分です。 ディアスキンはひっかっきずに弱い為、優しく拭くといいです。
力を入れてゴシゴシ擦るのではなく、優しくなでるように拭きましょう。もちろん馬毛や山羊毛ブラシでのブラッシングでも良いです。
汚れやほこりを拭いたり、ブラッシングするだけで、革の状態に違いが現れますので日々実践してみましょう。
ブラッシングで落ちる汚れもありますが、落とせないガンコな汚れもあります。
せっかくの持ち物の見た目も悪くなりますし、革のひび割れの原因にもなりますので、早めに取り除きましょう。
2.汚れが革のひび割れを起こす理由
革に手入れが必要なのは、時間の経過につれ、革が乾燥してくるためです。
革が乾燥すると、革のしなやかさが失われて固くなり、水や汚れのダメージを受けやすくなります。その結果、革の質を落としてしまうことになります。
それを防ぐ為に保湿クリームを塗るのですが、汚れが付いていると、うまく浸透しなくなります。同じクリームを塗るのですから、汚れを落とし、クリームの効果がしっかり発揮されるよう、汚れはすぐに落とすのが良いです。
3.ディアスキンの汚れの落とし方
用意するものは、馬毛ブラシ、乳化クリーム、ワックスクリーム、そして乾いた布の6点。
下記手順に従って、定期的にメンテナンスができると良い革の状態を保ちつつ、美しい経年変化を楽しむ事が出来ます。
馬毛ブラシで、埃や汚れを落とす。
革用クリーナーを布に少量取り、汚れをやさしく取り除いていく
綺麗な布で、余分なクリーナーをふき取る
栄養を与える乳化クリームを綺麗な布で、薄く伸ばしていく
馬毛ブラシを使って全体を優しくブラッシングし、余分なクリームを取り除く
ブラッシング後は、風通しの良い場所で一日ほど寝かせる(自然乾燥)
艶出し用のワックスクリームを乾いた布で、全体に薄く伸ばすように円を描きながら塗り込んでいく
馬毛ブラシで丁寧にブラッシングし、余分なクリームを取り除く
定期メンテナンス終了
4.水に濡れた時のお手入れ
ディアスキンは、水に弱く加工方法によっては水シミになる可能性があります。
購入した際に防水スプレーを吹きかけておくと安心です。防水スプレーを使用しても、水にぬれた際にはすぐに拭き取りましょう。
防水スプレーはフッ素系のものを使います。そうすることで革の通気を邪魔しません。
一般に、革は熱に弱いです。濡れたからといってドライヤーで乾燥させたり、直射日光で乾燥させたりしないように注意しましょう。
最悪の場合、固くなったりひび割れなど、革の性質が変わったり傷んだりしてしまいます。
陰干し、自然風での乾燥が基本です。アイテムによっては、形崩れ防止の為新聞紙を詰め込むといいですね。
5.ディアスキンのお手入れ時の注意
ドライヤー・ストーブ・直射日光などの、高温にも弱いです。
革が耐えられる温度を超えると、最悪の場合変形してしまい、元に戻ることはありません。
クリーナーと保湿クリームは、一緒に使います。
クリーナーは、汚れとともに革の油分や栄養も落としてしまいます。
特に洗浄力が強いものは、革にダメージを与えます。
とはいえ、保湿クリームは、カビの原因になるので塗りすぎないようにします。
6.カビが生えた時のお手入れ
革の鞄にカビが生えてしまった経験はありませんか?
湿度の高い場所や、風通しが悪い所に置いておくと、カビが生えることがあります。
主に白カビで、ある程度であれば簡単に落とせます。
水気を硬く絞った布で、カビだけを拭き取り、よく乾かした後に保湿クリームを塗ってください。
乾拭きやブラッシングで取り除くとカビの胞子をとばしてしまい、他のアイテムに付着してしまいますので注意します。
【鹿革:ディアスキンの保管方法とは?】
ディアスキン(鹿革)をしばらく使用しない場合、不織布などの通気性のいい袋に入れて保管しましょう。
バッグ場合だと、新聞紙を丸めて入れておくと、湿度も吸ってくれ、型崩れしにくくなりますのでお勧めです。
ビニール袋は通気性がなくカビが発生しやすくなるため、使用を避けます。
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