レザーといえば、まず初めに思い浮かぶものは牛革ですよね。
様々な種類の動物の革があり、色んな商品に利用されていることをどれほどの人が知っているでしょうか?
ヤギの皮から作られた革は、ゴートスキンと呼びます。
この記事では、ヤギ革(ゴートスキン)の特長やお手入れ方法について、知ることができます。
【ヤギ革:ゴートスキンとは?】
ヤギ革の特長は、繊維の密度が高く丈夫です。強度が高く型崩れしにくいうえに、さらに表面に細かく美しいシボが入っている為高級素材として扱われることが多いです。
牛革や豚革、さらには羊革などに比べるとなじみが低いヤギ革ですが、大変魅力の高い革素材です。
ヤギ革の中でも、大人のヤギ革をゴートスキンと言い、子供のヤギ革をキッドスキンと言います。
ヤギ革は、その特長を生かし、バッグや靴、ジャケットなどに使われることが多いですね。
国内の有名レザーブランドBACKLASHでも山羊革は使われていたりしますね!
【ヤギ革:ゴートスキンの5つの特長とは?】
ヤギ革は、使い込むとしっとり手に馴染むが、型崩れしにくいことが最大の特徴です。
ヤギ革の特長を見ていきましょう。
1.薄くいうえに、丈夫
ヤギ革の繊維の密度は高いです。見た目の印象が羊とヤギは似ている為、革も似た印象を持たれるかと思いますが、その特長は大きく異なります。
羊革に比べると、山羊革の方が固いことが多く、強度があります。羊革は断熱性が高いという特長がありますが、強度は低いです。その点、山羊革は強度があり、型崩れしにくいです。ヤギ革は、羊革ほどではないが柔らかさもあります。
さらに繊維の密度が高い為薄く加工することもできるのです。
2.美しい細かなシボ模様
ヤギ革には写真のように、きめ細やかな美しいシワが入っています。この個性的なシボが特長で、メンテナンスを繰り返すたびに光沢を帯びてくる様は、まさに高級品です。
実際に、山羊革はハイブランドの鞄などに採用されています。
3.摩擦に強い
ヤギ革の美しいシボは、見た目だけの良さに留まらず、表面に凹凸があることでひっかき傷に強いという特長があります。
ヤギ革は、型崩れもしにくい、傷にも強い。初心者には安心の革といえるでしょう。
4.お手入れが簡単
革製品全般にいえることですが、水にぬれた際にはすぐに柔らかい乾いた布で拭きましょう。中でも、ゴートスキンは、水や汚れが付いても、すぐに柔らかい布で拭けば落とせる場合が多いです。
革によっては、水を即吸収してしまうものもありますので、革のシミや色むらができにくいというのは大きなメリットです。
財布やバッグの持ち手など、手に触れるアイテムは皮脂が知らず知らずのうちに蓄積し、黒ずんできます。毎日、柔らかく乾いた布で拭いてあげたり、柔らかい毛のブラシでブラッシングを軽くするだけでも随分と良い状態を保つことができますので、ぜひトライしてみて下さい。
5.経年変化
革製品の所有の醍醐味である経年変化、エイジング。深みのある色つやが使用に伴い現れます。植物タンニン鞣しで仕上げた革は、経年変化するので楽しいです。
クロム鞣しで仕上げた革は、経年変化しないので、使用に伴い変化していく様を楽しみたい方にはお勧めしません。一般に、安い革製品はクロム鞣しと思ってもらっていいです。
【ヤギ革にはゴートスキンとキッドスキンの2種類がある】
ヤギ革には2つの種類があります。1つは、大人の羊革のゴートスキン。具体的には生後6か月以上の羊の皮のことです。
もう1つは、子供の羊革のキッドスキン。具体的には生後6か月未満の羊の皮のことです。
それでは、それぞれの特徴を見ていきましょう。
1.ゴートスキン
ゴートスキンとは、生後6か月以上の大人のヤギの革のことを言います。
ヤギ革の表面の細かな凹凸が美しいです。革の繊維の密度が高い為薄くしても強度が落ちることはありません。薄くすればその分軽くなるのは当然ですね。
つまりヤギ革は、薄くて軽い、なのに強度もあって、表面が美しい革なのです。
2.キッドスキン
キッドスキンとは、子供のヤギ革を言います。具体的には生後6か月未満の羊の皮です。
キッドスキンは、ゴートスキンよりも表面のシボがさらに細かく美しいのが特長です。ゴートスキンの手触りは若干の固さを感じる者ですが、キッドスキンはの手触りは滑らかで柔らかいです。
キッドスキンは、その特長もさることながら、生産量も限られている為、高級革素材として扱われており、ハイブランドの鞄や靴などに利用されることが多いです。
【ヤギ革:ゴートスキンのお手入れ方法】
山羊革は、お手入れが簡単な革素材です。
定期的なお手入れで、革の品質と美しさを保ちましょう。
1.日々のお手入れ
普段のお手入れはたまに乾いた柔らかい布で汚れやホコリを拭く程度で十分です。
力を入れてゴシゴシ擦るのではなく、優しくなでるように拭きましょう。大体の革製品と取り扱いは同じですね。もちろん馬毛や山羊毛ブラシでのブラッシングでも良いです。
汚れやほこりを拭いたり、ブラッシングするだけで、革の状態に違いが現れますので日々実践してみましょう。
ブラッシングで落ちる汚れもありますが、落とせないガンコな汚れもあります。
せっかくの持ち物の見た目も悪くなりますし、革のひび割れの原因にもなりますので、早めに取り除きましょう。
2.汚れが革のひび割れを起こす理由
革に手入れが必要なのは、時間の経過につれ、革が乾燥してくるためです。
革が乾燥すると、革のしなやかさが失われて固くなり、水や汚れのダメージを受けやすくなります。その結果、革の質を落としてしまうことになります。
それを防ぐ為に保湿クリームを塗るのですが、汚れが付いていると、うまく浸透しなくなります。同じクリームを塗るのですから、汚れを落とし、クリームの効果がしっかり発揮されるよう、汚れはすぐに落とすのが良いです。
3.ヤギ革の汚れの落とし方
用意するものは、馬毛ブラシ、豚毛ブラシ、乳化クリーム、ワックスクリーム、そして乾いた布の6点。
下記手順に従って、定期的にメンテナンスができると良い革の状態を保ちつつ、美しい経年変化を楽しむ事が出来ます。
馬毛ブラシで、埃や汚れを落とす。
革用クリーナーを布に少量取り、汚れをやさしく取り除いていく
綺麗な布で、余分なクリーナーをふき取る
栄養を与える乳化クリームを綺麗な布で、薄く伸ばしていく
豚毛ブラシを使って全体を優しくブラッシングし、余分なクリームを取り除く
ブラッシング後は、風通しの良い場所で一日ほど寝かせる(自然乾燥)
艶出し用のワックスクリームを乾いた布で、全体に薄く伸ばすように円を描きながら塗り込んでいく
豚毛ブラシで丁寧にブラッシングし、余分なクリームを取り除く
定期メンテナンス終了
4.水に濡れた時のお手入れ
山羊革は、水に弱く加工方法によっては水シミになる可能性があります。
購入した際に防水スプレーを吹きかけておくと安心です。防水スプレーを使用しても、水にぬれた際にはすぐに拭き取りましょう。
防水スプレーはフッ素系のものを使います。そうすることで革の通気を邪魔しません。
一般に、革は熱に弱いです。濡れたからといってドライヤーで乾燥させたり、直射日光で乾燥させたりしないように注意しましょう。
最悪の場合、固くなったりひび割れなど、革の性質が変わったり傷んだりしてしまいます。
陰干し、自然風での乾燥が基本です。アイテムによっては、形崩れ防止の為新聞紙を詰め込むといいですね。
5.ヤギ革のお手入れ時の注意
オイルレザーなら、少しの水は弾きますが、シミや水ぶくれの危険があるのでとにかくすぐ拭きます。
ドライヤー・ストーブ・直射日光などの、高温にも弱いです。
革が耐えられる温度を超えると、最悪の場合変形してしまい、元に戻ることはありません。
クリーナーと保湿クリームは、一緒に使います。
クリーナーは、汚れとともに革の油分や栄養も落としてしまいます。
特に洗浄力が強いものは、革にダメージを与えます。
とはいえ、保湿クリームは、カビの原因になるので塗りすぎないようにします。
6.カビが生えた時のお手入れ
革の鞄にカビが生えてしまった経験はありませんか?
湿度の高い場所や、風通しが悪い所に置いておくと、カビが生えることがあります。
主に白カビで、ある程度であれば簡単に落とせます。
水気を硬く絞った布で、カビだけを拭き取り、よく乾かした後に保湿クリームを塗ってください。
乾拭きやブラッシングで取り除くとカビの胞子をとばしてしまい、他のアイテムに付着してしまいますので注意します。
【ヤギ革:ゴートスキンの特長、お手入れ方法のまとめ】
それでは、羊革についてのおさらいです。
羊革の特長
お手入れ方法
羊革について詳しくなりましたね。
日常的なお手入れをしつつ、長く使いましょう!!
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