様々な種類の動物の革があり、色んな商品に利用されています。動物だけでなく、海の中の生き物の皮も色んな商品に使われていることをどれほどの人が知っているでしょうか?
サメの革は、シャークスキンと呼ばれています。
丈夫で傷つきにくいことから、さまざまな製品に使われています。
この記事では、サメ革(シャークスキン)の特長やお手入れ方法について、知ることができます。
【サメ革:シャークスキンとは?】
サメ革は、エキゾチックレザーの一種で、強度が高いことが特長です。
エキゾチックレザーとは、珍しい動物の皮革を使用した革のことを言います。希少性が高く独自の模様を持つ皮革の総称です。ほかには例えば、ワニ革、ヘビ革などがあります。
サメ革に使われるサメは、日本だとヨシキリザメが大半で、海外だとイタチザメやホオジロザメが使われることが多いです。
サメの種類は500ほど世界にありますが、革製品として使われるのはわずか20種類ほど。 サメは呼吸するために絶えず広い海中を泳ぎ回るため、マグロと同様に養殖が難しいです。マグロのように商品価値が高ければ養殖技術が発達していきますが、現状サメはいくらでも取れますので漁によって水揚げされたものの中から皮素材として使っています。
サメは気性が荒く、傷を負うことも多い魚です。
その為、傷が少ない綺麗なサメ革の希少性は高まります。
また、一般的な動物の皮とは異なり、サメ皮を革へ鞣すのにも特殊な技術が必要です。 これらの理由からサメ革は希少性が高いです。
シャークスキンは丈夫な革なので、財布や鞄、ベルト等に使われることが多いです。
【サメ革:シャークスキンの4つの特長とは?】
サメ革は、サメの皮を加工していきますが、牛革と比べると2倍ほどの工程が必要になります。サメ革は、それだけの手間をかけてあの美しい表情を見せてくれるのです。
それでは、サメ革の特長を見ていきましょう。
1.独特のシボ感
サメ革最大の特長は、細かい縄が絡まったような模様です。
溝が深い箇所、浅い箇所があったりとその凹凸は、型押しでは表現できない天然のなんともいえない美しさが魅力となっています。
経年変化により艶が増してくると、その凹凸に陰影が深まりさらに唯一無二の質感あるレザーとなります。
2.傷つきにくく、丈夫
サメ革は、皮の繊維が密で傷つきにくく丈夫です。
また、海の生き物だということもあり多少水には強いですが、他の革と同様に水濡れした際にはすぐに綺麗な布で拭きとることをおススメします。
3.お手入れが簡単
革製品全般にいえることですが、水にぬれた際にはすぐに柔らかい乾いた布で拭きましょう。
革によっては、水を即吸収してしまうものもありますので、革のシミや色むらができにくいというのは大きなメリットです。
財布やバッグの持ち手など、手に触れるアイテムは皮脂が知らず知らずのうちに蓄積し、黒ずんできます。毎日、柔らかく乾いた布で拭いてあげたり、柔らかい毛のブラシでブラッシングを軽くするだけでも随分と良い状態を保つことができますので、ぜひトライしてみて下さい。
4.サメ革:シャークスキンの経年変化について
革製品の所有の醍醐味である経年変化、エイジング。深みのある色つやが使用に伴い現れます。植物タンニン鞣しで仕上げた革は、経年変化するので楽しいです。
クロム鞣しで仕上げた革は、経年変化しないので、使用に伴い変化していく様を楽しみたい方にはお勧めしません。一般に、安い革製品はクロム鞣しと思ってもらっていいです。
【サメ革:シャークスキンの6つのお手入れ方法】
サメ革は、とても丈夫な革です。お手入れがも簡単な革です。 定期的なお手入れで、革の品質と美しさを保ちましょう。
1.日々のお手入れ
普段のお手入れはたまに乾いた柔らかい布で汚れやホコリを拭く程度で十分です。
力を入れてゴシゴシ擦るのではなく、優しくなでるように拭きましょう。大体の革製品と取り扱いは同じですね。もちろん馬毛や山羊毛ブラシでのブラッシングでも良いです。
汚れやほこりを拭いたり、ブラッシングするだけで、革の状態に違いが現れますので日々実践してみましょう。
ブラッシングで落ちる汚れもありますが、落とせないガンコな汚れもあります。
せっかくの持ち物の見た目も悪くなりますし、革のひび割れの原因にもなりますので、早めに取り除きましょう。
2.汚れが革のひび割れを起こす理由
革に手入れが必要なのは、時間の経過につれ、革が乾燥してくるためです。
革が乾燥すると、革のしなやかさが失われて固くなり、水や汚れのダメージを受けやすくなります。その結果、革の質を落としてしまうことになります。
それを防ぐ為に保湿クリームを塗るのですが、汚れが付いていると、うまく浸透しなくなります。同じクリームを塗るのですから、汚れを落とし、クリームの効果がしっかり発揮されるよう、汚れはすぐに落とすのが良いです。
3.サメ革:シャークスキンの汚れの落とし方
用意するものは、馬毛ブラシ、豚毛ブラシ、乳化クリーム、ワックスクリーム、そして乾いた布の6点。
下記手順に従って、定期的にメンテナンスができると良い革の状態を保ちつつ、美しい経年変化を楽しむ事が出来ます。
馬毛ブラシで、埃や汚れを落とす。
革用クリーナーを布に少量取り、汚れをやさしく取り除いていく
綺麗な布で、余分なクリーナーをふき取る
栄養を与える乳化クリームを綺麗な布で、薄く伸ばしていく
豚毛ブラシを使って全体を優しくブラッシングし、余分なクリームを取り除く
ブラッシング後は、風通しの良い場所で一日ほど寝かせる(自然乾燥)
艶出し用のワックスクリームを乾いた布で、全体に薄く伸ばすように円を描きながら塗り込んでいく
豚毛ブラシで丁寧にブラッシングし、余分なクリームを取り除く
定期メンテナンス終了
4.水に濡れた時のお手入れ
サメ革は、水に弱く加工方法によっては水シミになる可能性があります。
購入した際に防水スプレーを吹きかけておくと安心です。防水スプレーを使用しても、水にぬれた際にはすぐに拭き取りましょう。
防水スプレーはフッ素系のものを使います。そうすることで革の通気を邪魔しません。
一般に、革は熱に弱いです。濡れたからといってドライヤーで乾燥させたり、直射日光で乾燥させたりしないように注意しましょう。
最悪の場合、固くなったりひび割れなど、革の性質が変わったり傷んだりしてしまいます。
陰干し、自然風での乾燥が基本です。アイテムによっては、形崩れ防止の為新聞紙を詰め込むといいですね。
5.サメ革のお手入れ時の注意
オイルレザーなら、少しの水は弾きますが、シミや水ぶくれの危険があるのでとにかくすぐ拭きます。
ドライヤー・ストーブ・直射日光などの、高温にも弱いです。
革が耐えられる温度を超えると、最悪の場合変形してしまい、元に戻ることはありません。
クリーナーと保湿クリームは、一緒に使います。
クリーナーは、汚れとともに革の油分や栄養も落としてしまいます。
特に洗浄力が強いものは、革にダメージを与えます。
とはいえ、保湿クリームは、カビの原因になるので塗りすぎないようにします。
6.カビが生えた時のお手入れ
革の鞄にカビが生えてしまった経験はありませんか?
湿度の高い場所や、風通しが悪い所に置いておくと、カビが生えることがあります。
主に白カビで、ある程度であれば簡単に落とせます。
水気を硬く絞った布で、カビだけを拭き取り、よく乾かした後に保湿クリームを塗ってください。
乾拭きやブラッシングで取り除くとカビの胞子をとばしてしまい、他のアイテムに付着してしまいますので注意します。
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